【第65回 気象予報士試験 実技2】問2を徹底解説|500hPa強風軸・鉛直流・前線解析

こんにちは!今回は第65回 気象予報士試験 実技2 問2を解説します!

今回の問題では、

  • 700hPa上昇流域と500hPa強風軸の対応
  • 鉛直流分布の読み取り
  • 500hPaトラフ解析
  • 閉塞前線の解析

など、実技試験で頻出の重要テーマがまとめて問われています。

この問題で重要なポイント

  • 700hPa上昇流域から500hPa強風軸を対応づける
  • 鉛直流は「負=上昇流」「正=下降流」で読む
  • 500hPaトラフは渦度極大を手がかりに追跡する
  • 前線解析では「強風軸・上昇流・風のシアー」をセットで見る

■ 問2(1) 700hPa上昇流域と500hPa強風軸

問題文

700hPaの帯状上昇流域に対応する500hPa強風軸の高度を読み取り、対応する前線を答える問題です。

模範解答

  • ① 5160m
  • ② 5400m(5460m)
  • ③ 5640m
  • 北側前線:(a)
  • 南側前線:(c)

記述式解答のポイント:分布型・構造型

どこで
700hPaの帯状上昇流域付近で

なぜ
500hPaの渦度配置に対応する強風軸が存在しているため

何が起きている
強風軸と東経135°の交点高度が5160m、5400m(5460m)、5640mとして分布している

◇ 解説

この問題は、いきなり500hPa図から見ると迷いやすい問題です。

まずは700hPaの帯状上昇流域を3列探すところから始めます。

その後、500hPa解析図で対応する強風軸を探します。

ここがポイント!

強風軸は単に風速最大域として見るより、 渦度0線付近として追うと見つけやすいです。

  • 北側:正渦度
  • 南側:負渦度

この境界付近が強風軸になりやすいです。

強風軸と東経135°の交点高度を低い順に読むと、

5160m → 5400m(5460m)→ 5640m

となります。

前線との対応は、地上天気図の前線位置と上昇流帯を重ねることで判断します。

受験生がつまずきやすいポイント

  • 500hPa図から見始めて迷子になる
  • 風速最大域だけで強風軸を判断してしまう
  • 前線位置だけで対応を決めてしまう

700hPa上昇流域 → 500hPa強風軸 → 地上前線
の順で見ると整理しやすいです。

■ 問2(2)① 鉛直流分布

問題文

低気圧中心付近の上昇流・下降流の分布を記述する問題です。

模範解答

中心の北側で強い上昇流域、南西側で強い下降流域となっている。

記述式解答のポイント:分布型・構造型

どこで
千島近海の低気圧中心付近で

なぜ
低気圧に伴う前面上昇・後面下降の循環場となっているため

何が起きている
中心の北側では強い上昇流域、南西側では強い下降流域が分布している

◇ 解説

鉛直流図では、

負の値=上昇流
正の値=下降流

です。

低気圧中心の北側には、 -77hPa/h を含む強い上昇流域があります。

一方、南西側には、 +59hPa/h を含む強い下降流域があります。

ここがポイント!

実技試験では、

±50hPa/h以上

を「強い」と表現することが多いです。

超重要つまずきポイント!

低気圧中心の真上を見るのではなく、 中心に対してどの方位に上昇流・下降流があるか を答える必要があります。

■ 問2(2)② 500hPaトラフ

問題文

千島近海の低気圧に対応する500hPaトラフの位置を読み、その高度を答える問題です。

模範解答

5160m(5220m)

記述式解答のポイント:時間変化型

どこで・いつ
24日9時の低気圧中心に対応する500hPaトラフ付近

なぜ
正渦度極大域が時間とともに移動しているため

何が起きている
23日21時へさかのぼることで対応するトラフ位置を追跡できる状態となっている

◇ 解説

まず、 24日9時の低気圧中心に対応するトラフ を見つけます。

その後、23日21時へさかのぼって同じトラフを追跡します。

ここがポイント!

トラフは等高度線の谷だけではなく、 正渦度極大 を手がかりにすると見つけやすいです。

特に波動が不明瞭な場合は、 等高度線よりも渦度場から見る 方が安定します。

対応するトラフと東経140°の交点を読むと5160mとなります。

読み取りによっては5220mも許容されます。

■ 問2(2)③ 前線解析

問題文

高層天気図を用いて前線解析を行う問題です。

模範解答

前線解析 模範解答

記述式解答のポイント:メカニズム型・構造型

どこで
低気圧中心から日本付近へ伸びる前線帯で

なぜ
強風軸・上昇流極値・風のシアーが前線帯に対応しているため

何が起きている
閉塞前線が形成され、温暖型閉塞前線として解析できる状態となっている

◇ 解説

前線解析の基本手順

  1. 閉塞しているか確認する
  2. 等温線集中帯を見る
  3. 風のシアーを見る
  4. 強風軸を見る
  5. 閉塞点を決定する
  6. 前線を作図する

● 閉塞の判断

この図で確認するポイント

  • ジェット軸が巻き込む形になっているか
  • 強風軸が低気圧を取り囲んでいるか
  • 閉塞構造となっているか
閉塞の判断

850hPaの寒気・暖気移流はやや不明瞭ですが、 問2(1)より5160m付近に強風軸があることが分かっています。

ジェット軸が巻き込むように伸びているため、 閉塞していると判断できます。

● 前線位置の推定

この図で確認するポイント

  • 等温線集中帯の位置
  • 風向の急変帯(シアーライン)
  • 暖気側・寒気側の位置関係
前線位置の推定

前線位置は、 等温線集中帯の南縁 および 風のシアー から推定します。

● 閉塞点と閉塞前線の型

前線推定値に対して、 強風軸 および 上昇流極値 が通る点を閉塞点とします。

今回は、

温暖型閉塞前線

と判断できます。

温暖型閉塞前線

前線解析でつまずきやすいポイント

  • 閉塞点を低気圧中心そのものに置いてしまう
  • 等温線集中帯だけで前線を引いてしまう
  • 風のシアーを見落とす
  • 温暖型・寒冷型閉塞前線を温度比較なしで判断してしまう

前線解析では、 強風軸・上昇流・風のシアー・等温線集中帯 を総合的に見ることが重要です。

■ まとめ

  • 700hPa上昇流域から500hPa強風軸を対応づける
  • 強風軸は渦度0線付近として追う
  • 鉛直流は「負=上昇流」「正=下降流」
  • 500hPaトラフは正渦度極大から追跡する
  • 前線解析では「強風軸・上昇流・風のシアー」をセットで見る

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第65回 気象予報士試験 実技2 問2の解説でした!

独学資格塾では、単なる模範解答だけでなく、 「受験生がどこでつまずくのか?」 を重視して解説しています。

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